止まらないグローバル化。英語はできて当たり前と言われて久しいのに、なかなか上がらない日本人の英語力。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
経験上外国語を覚えると、「人生楽しい」ので、ぜひ皆さんにもオススメしたいのですが、そう簡単に行かないのも事実。
ところでほとんどの日本人にとって外国語=英語ですよね。何やら最近では小学校でも習うそうで、当たり前に触れる言語であります。
一方で日本人にとって英語は世界最難関の言語でもあります(根拠は後述)。そんな英語は諦めて、もしくは英語をある程度習得したなら、中国語は結構オススメですよ。今日はそんな話。
この文章を書いている人は・・・
- 英語業務使用歴10年超。上場企業駐在員として通訳も。
- 海外滞在歴はニュージーランドに1年。タイ駐在2年、中国駐在3年目
- TOEICは未受験。模試スコアは855〜900
- 中国語試験も未受験。でも毎日中国人と中国語でも仕事しています。
中国語は日本人にとって最も学びやすい言語の一つ

結論から言えば、中国語は日本人にとって最高にコスパの高い言語と言えます。
何故か、
- 文字が漢字
- 地理的に近い
- 文法が英語に近い
- 使用者数世界二位
- 仕事で使う機会も多い=就職につながる
詳しく見ていきましょう。
日本人にとって中国語はラク

外国語=英語=超ムズカシイという思い込みのある日本人にとっては分かりづらいかもしれませんが、中国語はラクです。
例えば会社で使う書類の中に、「報告書」なんて言葉がありますが、これは中国語だと「报告书」です。中国大陸だと簡体字という、日本の漢字に比べると省略された漢字を使います。
見た目こそ違いますが、「告」は同じですし、簡単になってるだけなのですぐに慣れます。「電話」は「电话」だし、「銀行」は「银行」。ほぼ同じです。
ちょっと想像してみてください。例えばアメリカ人が、例えばタイ人が。中国語を覚えるときに待ち構える「漢字の壁」。目もくらむほど高くて、厚いものでしょう。日本人はほぼ自動的にこの壁を飛び越えていきます。こんなに美味しい話はなかなかないですよ。
しかも、中国語では原則漢字の読み方が「一通り」しかありません。音読みと訓読みがある日本語とは違い、ほとんどの漢字の読み方は一つだけ。なんと覚えやすい。
文法が英語に近い

いやいや、英語できないし。

と思うかもしれませんが、平均的な日本人は「英語を話せないだけ」で、結構英文法は頭に入っています。中学英語の文法程度で構わないので、それを中国語に流用します。
例えば、「僕はギターを弾きます。」と言ってみましょう。
- 英語:I play the guitar.
- 中国語:我弹吉他。
まず見た目。吉他=ギターということだけわかれば、「ワレ、弾ク、ギター」なので見ればわかりますよね。英語と単語の順番が全く同じです。Playみたいな広い単語でなく、日本語と同じ「弾」という漢字が使われているのもわかりやすい。
もちろん100%同じわけではないのですが、単純に英語の文章の単語を中国語に置き換えても、ほとんどの場合意味が通じます。この点については、文法が似ているということもありますが、漢字という文字がそもそも優秀(覚えるの大変だけど)という側面も大きいでしょう。
さらに、英語と違って中国語は動詞が変化しません。
英語だと"go"という単語が"goes"になったり、"went"になったり、"gone"になったりして、もはやイヤガラセ。ですが、中国語の動詞は全く変化しません。弾くなら常に弾。過去形になる場合は完了の「了」を足すだけ。我弹了吉他。
あーあと、日本人英語学習者を惑わせまくる、「冠詞」もありません。aとかtheみたいなやつ。
そろそろ中国語がラクというのが伝わってきましたでしょうか。
英語の難しさはアメリカ国務省のお墨つき

「日本語は難しい」
これは日本語しか話せない日本人だとしても、なんとなく理解できるのでは無いでしょうか。
どういうわけかひらがなとカタカナと漢字でアルファベットを併用するし、抽象表現も多い。長い島国としての歴史が為せるワザですが、実はその難しさを公式に発表している政府機関があります。それがアメリカの国務省。
英語を母語とするアメリカ人にとっての外国語習得難易度を、カテゴリーに分けて発表しています。

日本語は堂々最難関のカテゴリー5(一番下)。更にご丁寧に※がついています。
この注記の意味は、「大体の場合において、同じカテゴリーの言語よりしんどいよ」です。
同じカテゴリーにあるのは、アラビア語、広東語、中国語、韓国語。
アメリカ人が中国語を勉強するより更に難易度が高いのが日本語。この難易度はほぼそのまんま関係をひっくり返した「日本人にとっての英語学習難易度」になります。
一番難しい外国語をデフォルトでやらされてるんだから、そりゃ話せるようになんかなれねえよ。ってなもんですね。
プレッシャーがない

日本人が英語を話せない大きな理由の一つに、「流暢に話さないと行けないと思いこんでいる」が挙げられます。別に片言でもカタカナでも通じりゃいいんですが、なぜか「アメリカ人みたいに」話さないと行けないと思いこんでいるし、「間違ったら恥ずかしい」と思い込んでいる人が多い。
これが一転中国語になると「できなくて当たり前」という思いに切り替わり、欧米コンプレックスも消し飛び、何だったらアジア人に対する無自覚な差別意識も相まって、堂々と下手な中国語を話すことができるようになります。
僕は現在中国駐在2回目、計3年目ですが、こういう日本人のおじさんをたくさん見てきました。「飲み屋のお姉ちゃんにモテたい」という下心超強力なインセンティブもあるので、伸びる人はすごい勢いで伸びます。
これはタイにおけるタイ語も全く同じで、プレッシャーが無い=たくさん話す=話せるようになる。の図式は完全に成立します。
経済的メリットに繋がりやすい

海外といえばアメリカ、外国語といえば英語の日本人。中国語はまだまだ狙い目です。
僕がアラフォーにして個人事業から撤退して、再就職できたのも中国語と中国経験のおかげ(詳しくはこちら:アラフォーおじさんが個人事業主から就職した話。)。
英語圏と違って、中国は「近くにある超巨大市場」です。かつて大量にできた生産工場はまたその多くが維持されていますし、巨大市場に成長した中国を多くの日本企業が狙っています。(参考記事:中国・広州のスシローの本気度から見る日本の闇。)
また、給料の上がらない日本の会社員のライフハック的な裏技、「海外駐在員」になりやすいのも中国です。
そもそも駐在員の人数が多いですし、社内の海外志向の強い人達は欧米を目指しがち。手取りの収入で言えば2〜3倍以上を狙える海外駐在員になりやすいのもメリットの一つと言えるでしょう。
英語でここまでのポジションを狙うのは正直けっこう大変です。かなりマジで勉強した上に、英語での実務経験が無いと厳しいでしょう。
ボク個人で言っても中国語より英語のほうが何倍も得意ですが、今のポジションの英語圏版を掴むのは至難の業です。
ある意味ブルーオーシャンとも言えるのが中国語界隈。
まとめ

今回は英語の次、もしくは英語を諦めて中国語をやってみることについてお話しました。
日本人の外国語コンプレックスは相当なものですが、それは「英語」によって植え付けられている部分も多いです。
本文中でも触れましたが、プレッシャーなく話せる言語に来る日本おじさんタチは結構上手に現地語を話したりしています。
何語にしても外国語を話せる人生は楽しいものです。趣味程度に捉えて構わないと思いますので、ぜひ試してみたください。