あの時中国人が僕にしてくれたこと。

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上海のレストランで。

はじめに

2020年2月12日現在、新型肺炎「コロナウイルス」はアジアを中心に世界を混乱させています。同時にアメリカではインフルエンザが猛威を振るっており、世界が先の読めない状況にあります。

僕は京都で小さなホテルの運営をしているイチ個人に過ぎず、科学的・医学的には全くの素人なので、この先何が起こるか、どうすべきかは正直わかりません。(手に入る情報ででき得る限りの対策はしますが。)

ただ、世界中でアジア人に対して差別がおこっているとか、日本国内でも中国人やその関係者に対する差別的な言論が見られることが悲しいので、この記事を書くことにしました。

僕は1981年生まれの日本人で、2010〜2011年の2年間、中国江蘇省の張家港市という街で日系企業の駐在員として働いていました。

2年間という短い時間でしたが、日本人を含む外国人がそこまで多くない地方都市だったということもあり、たくさんの中国人の友人に恵まれ、非常に貴重な経験をしました。

実際の中国を知らない日本人には想像がつかないとは思いますが、2年の間、「日本人だという理由」で、嫌な思いをしたことは一度もありません。むしろ親切にしてもらったことばかりが思い出に残っています。

あの時起こったこと

僕が中国駐在にも慣れきった頃、東日本大震災は起こりました。

第一報は僕の弟から入ったスカイプメッセージでした。

「宮城で大地震!」

だったと記憶しています。僕らの父親の実家が宮城県石巻市だからです。

最初の数十分くらいはそこまで深刻に捉えていませんでした。東京で数箇所の火災。

直属の部下として働いてくれていた李さんがいいました。

「日本の建物は中国と違って耐震性が高いから大丈夫だよね。」

と。

僕も楽観視していました。阪神淡路大震災以降、頑張ってきた日本ならそこまでの被害にはならないだろうと。実際地震だけだったら、、、という思いはすべての日本人に共通するところだと思います。

とは言え当然心配なので中国からでもアクセスできる中東のニュースメディア(たぶんアルジャジーラオンライン)の生放送をチェックしているときにあの大津波の映像が入ってきました。

その後の原発の事故の報道。

言葉を失いました。殆どが中国人のオフィスも無音・無言でした。

放射線の危険が各国で報道される中、中国でも当然のように騒がれました。

日本ではあまり知られていませんが、当時中国では日本から流れてくる放射線に対して「食塩」が効くというデマが流れて塩の買い占めがおこなわれ、挙句の果てにパニックを起こした人が食塩を大量に摂取して死亡するということまで報道されました。

それくらい恐れていたということでしょう。

中国人の日本人に対する反応。

放射線と今回のコロナウイルスは何もかもが全く違うものなので同一視するのは間違っているとは思いますが、僕も含めて科学的な知識を持たない一般人の反応はとかくヒステリックになりがちです。

事実、東日本大震災当時の中国のインターネット上には日本や日本人への差別的な発言もありました。もともと反日感情のある国ですから当然の反応だなと思っていましたが、実際に接する中国人たちは全く違いました。

「インターネットで変なこと書いてる中国人は馬鹿なんだよ」

「日本で不安だったら家族を中国に呼び寄せてあげなよ」

「日本だったらきっとだいじょうぶ。頑張ってね。」

当時日中関係に詳しいジャーナリストがこう記していました。

皮肉なことに、ここ数十年で一番対日感情が良いのが今だ。

と。

報道を通して見た外国の優しさに感動した日本人はたくさんいたのではないでしょうか。

今僕らができること

欧米(というのも雑なくくりですが)、ではアジア人への差別が行われ、日本でも中国に対しての心ないコメントも見られます。

もともと関係が必ずしも良くない日中。文化や習慣の違いもあり、ネガティブなイメージが強いのはわかっていますが、僕を含めて実際に中国に住んだことがある日本人のほとんどは中国を好きになり、良いイメージをもち、なんだったら帰国命令がでたら退職して中国に住み続ける人もたくさんいるくらいです。

隣国と仲が悪くなりがちなのは世界中で見られる現象ですが、僕は日本人と中国人はわかりあえると思っています。住んでみたらわかるんですよ。根底の所で良く似ていることが。

もちろん長い時間は必要でしょうが、ついこのあいだ。10年にもならない最近、日本が絶望の底にいたときに中国は、中国人は、世界中の人々は最高の優しさを届けてくれました。

混乱の渦中にある武漢にくらべれば、日本中どこでもはるかに恵まれた医療体制に守られています。中国に優しく、アジア人差別には厳しく。「やさしい」ふるまいをしてほしいなと切に願います。

中国語で「頑張れ」は油を加えると書いて「加油」といいます。

武汉加油。

中国加油。

世界加油。